(2) 新栃木→東武金崎
第24話
『新栃木〜新栃木〜』
──いったいどういうこと?
やや懐疑的な気持ちになりながら、電車は次の駅である"新栃木駅"で停車した。
降車してゆく人に逆らい、何人かが乗車してくる。
この駅には日光線と宇都宮線が乗り入れている。
宇都宮線は新栃木駅を起点としているけれども、宇都宮線の列車の多くは日光線経由で隣の栃木駅まで運行される。
向こう側のホームには、特急列車らしいものが停車していた。
栃木県の日光と東京を結ぶ特急といえばスペーシアだけど、車体がそれとは違っている。
スペーシアはジャスミンホワイトを基調にした、パープルルビーレッドとサニーコーラルオレンジの帯を巻いていて、窓回りは黒の単色塗りだ。
先頭車の先頭部は新幹線のように丸みがあるのに対して、あそこに停車している列車の前頭部の構造設計はそれとは異なっていた。
へえ、こんなボディをしたものも走っているのか。
『ダイヤ改正に伴い、当駅始発・終着列車の"リバティけごん"の運行が〜…』
無機質な車内アナウンスを右から左へ受け流し、あまりの居心地の悪さに目の前にいる男からフイ、と視線を逸らす。
ハルナさんは丸眼鏡をかけ直すと、再び満更でもなさそうに私のイチゴオレを飲んでいた。
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