第17話
そんなに近寄りにくさはないけれども、やっぱり変な人だ。
と、思っているとハルナさんはなにやら紙パックを眺めて眉を下げ始めた。
「イチゴオレなんて久々に飲んだな」
「え、好きだから飲んだんじゃないの」
「いや、どちらかというと懐かしくて飲んだのが正しい」
「なんですかそれ。急にシミジミとしないでくださいよ」
「あら、手厳しいね」
すぐにコロコロと笑い始めるけれど、まったく、この人の発言は妙なところがある。
どう対応したらいいのかも分からずに受け流すしかないんだけれど。
「いちごオレ好きなんで、そんなに飲まれたらなくなっちゃうから困ります」
「ごめんごめん」
「甘いものが好きなんて、ハルナさんからしたら子どもっぽいって思われるんでしょうが」
ふうん、とそれとなく反応したハルナさんは「ずいぶんと大人っぽい容姿をしてるのに、ギャップ萌え」と添えてくる。
萌え?
ギャップ?
えっ、待って私って大人っぽいの?
やだ、はじめて言われたしちょっと照れ……、
じゃなくて!
「ていうか! ハルナさん、成人してますよね?」
「うん、してる」
「だったら犯罪だ! 女子高生が飲んだストロー咥えてニヤけていいと思っているんですか?」
「酷いこというねー。でもニヤケたのは認める」
「変態!変態おじさんだ! やっぱりあなた私のストーカー!」
「おじさんって…それだけはほんと泣く…。変態なのは認めるけど、おじさんは泣くし…ああ、もういいやストーカーって解釈でも」
やはりよく掴めない人である。
腕を組んで頷いたハルナさんは、ストーカーだと思っていても構わないと言ってきた。
……訳分からん。
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