第6話
"東武日光行き"
目の前で電車が停車した。
レトロな車体は、見る者にどこか懐かしさをも感じさせる。
新大平下駅から終点の東武日光駅までの15駅。
──1時間5分で結ぶ"普通"電車。
プシュー…、扉が開く音が聞こえてきた。
時刻はちょうど通勤通学の時間帯で、ぞろぞろと電車から降りてくるほとんどは日本人ではなくインド系の外国人だ。
彼らが通りすぎるたび、エキゾチックでスパイシーな香りが鼻腔をくすぐる。
これも日常の風景。生活の一部。
こんな地方だというのにもかかわらず、この駅がこれほどグローバルであるのは、この街には車や電化製品を製造する大きな工場があるからだ。
この街の工場で働く外国人労働者の数は多く、なんの変哲もないこのちいさな駅で、頭にターバンを巻いている人々も目にすることがある。
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