第45話

「妃芽ちゃんは……学校の子達と来てるの?」




「え?」学校の人……では無いよな?合コン相手ってなんて紹介するんだ?






「あー、…………友達ですよ!はい!」





「えー!そうなんだ。…………また今度お茶ご馳走するね。……お邪魔してごめんね。」親衛隊の人達は私に手を振ると部屋へ帰って行った。





「いやー……妃芽ちゃん……なんか、凄い知り合いがいるんだね。」






「え?……そうですか?」うーん……意外と普通の人たちだからなぁ……そんな風には思ったことなかった。






「じゃあ戻ろうか。」私の腰に急に手を置き誘導する澤部さん。




なんか……やだなぁ……ゾワゾワする。





でも、きっとこういうの普通……なんだよね。空気を悪くしないためにも……我慢しないとね。





部屋に戻ってしばらく手拍子とかタンバリンとかを振り続け、気がつくと20時近くなっていた。





「あ……亜子ちゃん、私そろそろ帰らないと。先帰るね。」





「あー、ほんとだ。もうそんな時間か……分かった!了解。……料金はまた月曜日に言うね。……立て替えとく」




「ほんと!助かるありがとう。」




「ううん、今日は来てくれてありがとう。」

ニコッと笑う亜子ちゃん。……やっぱりいい子だなぁ。



「あ……じゃあ俺もそろそろ帰ろうかな。……妃芽ちゃんのこと送っていくよ。夜道は危ないし。」


何故か澤部さんが荷物を持って立ち上がった。








「え……いいですよ!……まだみんなでカラオケしてもらって。そんな家遠くないですし。」




断りをいれたけど。半ば強引に「一緒に帰る」と、言うから……澤部さんも帰りたいのかな?と思い了承した。






みんなに手を振るとカラオケから出る。……確かにもう結構くらいなぁ……





駅に向かって歩くと、「ねぇ、どこか寄っていかない?」と聞いてきた。






「私もう、帰らないと……」



遅くならないって約束だし。






「門限?」




「門限では無いけど、心配かけたくないから。」




「門限じゃないなら、帰りは俺が家まで送っていけば問題ないよね?」




「え?」



澤部さんは私の腕を掴み、どこかへ向かおうとする。

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