第34話

うん………分かってた。





2人は優しくて、私のこと大好きで……だから、私のこと責めたりしない。






勝手に私が自責の念に駆られていただけ。私が殺したから泣いたらダメだと……





そう思っていた。





でも、普段泣かないももちゃんが泣いた。その瞬間現実に引き戻される感じがした。





みんな内心……2人じゃなくて私が死ねば良かったって思ってるんじゃないかって……思ってた。






だから、ももちゃんが私が生きててよかった。と言ってくれたのが……





すごく嬉しかった。






「私……生きててもいいのかな?………2人とも怒らないかな?」






「……バカじゃねえの。めめ子はバカだから。何度だって教えてやる。………お前は俺の所有物なんだから、勝手に死ぬとか許さねえ。」





「……もう、ももちゃんのおバカ。私は………ももちゃんの所有物じゃないっつうの。」





泣きながら笑うと、ももちゃんは呆れたような顔をして「ぶっさいくだな……」とデコピンをしてきた。





あー、もうやっぱり………こういうとこが嫌いだけど、邪険には出来ないんだよな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る