いやいや、預けないでください。

第23話

ぼーっとしていたら時間は直ぐに過ぎて、泰ちゃんが来てくれた。






「妃芽、ごめんな……遅くなって。桃矢もありがとうな。妃芽のこと。」





「……あ、泰ちゃん。」





「俺は特に何もしてないから。……泰成も、急だったし大変だったろ。……チケットとれてよかったよ。」




2人が話しているのをぼーっと聞いて、泰ちゃんが来たことでやっぱり2人は死んじゃったんだ……と、感じる。






「ヒメちゃん……遅くなってゴメンネ………ヒトリデ寂しカッタデショ………」



しくしく泣く泰ちゃんのお嫁さんのメアリーさん。





「ううん、大丈夫だよ。……メアリーさんも飛行機疲れてない?」




首を横に振るメアリーさん。






それからは泰ちゃんが色々手続きをしてくれて、あれやこれやとしているうちにお葬式も滞りなく終えることが出来た。





「妃芽、今回思ったんだけどさ……」





お葬式が終わって、泰ちゃんはすごく真剣な顔で私の方を見た。





「ん?……どうしたの?」






「………一緒にアメリカに行こう。メアリーも了承してる。……妃芽を1人には出来ないし……」






「……でも………学校もあるし。」



友達と離れるなんて……寂しい。




それに、いきなりアメリカで生活だなんて……






「俺たち頼れる親戚もいないし……初めはアメリカでの生活は大変かもだけど、メアリーもいるから。」





「ソーヨ、イッショに行きまショ」



メアリーもニコッと微笑む。







でも………やっぱり不安だし……

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