第83話

少しではあるが、彼の苦悩も想像することができた。




彼女だってそうだ。




親に決められた相手と結婚するのだ。それは嫌だろう。




それから、何度か彼らを図書館で見たが、彼らは死ぬことはなかった。





いつだって死にたがっているようだったけど、それでも生きていた。





だから俺は、彼たちはお互い構って欲しいだけのイタイ奴らだと結論づけた。





世の中、彼らより恵まれていない奴らはどれだけでもいる。それでも、仕方なく日々を過ごしているんだ。結局この2人も高校を卒業したらお互いを忘れ、日々を過ごす。





俺はそう思った。

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