第82話
2度目見た時も図書館だった。休日に2人で来てまた何か本を探し熱心に読んでいた。
男の方は金髪で目立つ顔をしているが、なんだかダサくてお世辞にもモテるタイプとは思えなかった。
それからも何回も2人を図書館で見た。
ある日気がついたのは読んでいた本が推理小説がメインで、たまに自殺に関する本や、事件についての本だった。
2人のことが気になり、2人の近くに座ると2人が読んでいる本をメモした。
中には読んだことがある本もあったが、どれも面白い訳ではない。
ただ、一つ共通することがあるとしたら誰かが死んでいると言う点だった。
「面白…」そう思った。課題をしたカップルかと思ったら違った。
2人は自殺の方法を調べていたんだ。
興味が湧いた。この2人が心中しようが興味はないが、2人が何故こうなったのか。
調べるのは簡単だった。自分は余るほど金は持っている。すぐに2人を調べた。
兄の婚約者の隣にいる男は藤岡隆。総合病院の跡取りである。父親の愛人の息子で、体の弱い本妻の息子や、嫁に行った姉に変わり勉強をするが、愛人との子供のため疎まれている。
この生い立ちでなんとなく想像ができた。俺と同じであるということだった。
流石に彼ほど大変な思いはしてきてはない。俺には兄がいて、後継は兄である。
しかし、子供の時から厳しく育てられてきたのは彼と同じだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます