第70話

病院に行き、優馬や彼女の両親に連絡を入れた。




彼女の両親は仕事で地方にいるらしく、一番早くにきたのは優馬と彼女の妹だった。





「容体は?」優馬に聞かれ、「治療中。」と答えた。





数時間経ち、手術は終わった。





治療室から出てきた彼女の体は包帯だらけで痛々しい。





容体については、夫である優馬が聞くことになった。






個室で彼女の妹と2人で優馬が帰ってくるのを待った。





「……姉は、何であなたと?」





「たまたまだよ……海を見に行っていたら彼女がいたんだよ。」





眠り続ける姉を見つめる妹は、何を考えているのかわからない。





きっと、彼女たちの関係はあまりにも複雑になりすぎてしまったのだろう。






「兄さん、はなちゃんお待たせ。今日は目は覚めなさそうだからはなちゃんは一回帰りな。疲れただろ?」






「…いえ、両親が着くまで待っています。」






「面会時間も終わるし、ご両親も明日来てもらうことにするよ。かなり時間がかかるみたいだから。」





優馬はそう言うと、はなちゃんにタクシー代を渡して病室から出した。

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