第52話

彼女は何を思ってそんなことを書いたのだろうか。





殺し損ったわけじゃない。




わざと殺さなかったんだ。




鏡を見るとうっすら絞めた跡が付いている。




それに触れる。




もういないはずの彼女の温かみを感じた。





彼女を探そうと荷物を持ってチェックアウトをした。





外に出て駅へ向かう。




ICカードを通そうとして気がついたのは彼女の居場所の検討なんて一つもつかないことだった。





彼女は俺にとって唯一の理解者だ。





でも、俺は何一つ理解していなかった。

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