第35話

私は姉に劣等感を抱いていた。




頭は良く、スポーツもでき、コミュニケーション能力もある。




私は父親似で姉は母親似。母は綺麗な人で父の一目惚れだったらしい。




父は凡人顔だ。母は父の家柄で結婚したと言っていた。





母に似た姉はすごく綺麗だった。




友達も多かった彼女は洒落気だすのも早く、中学生くらいから香水を付けていた。





彼女はいつもバニラの香りがして、羨ましくて仕方がなかった。




私は姉とは違って地味で友達も少ししかいない。





香水なんかつけるタイプの子たちではないし、浮いてしまう。




中学に入った当初、みなみの妹が入学してきたということで、何度も教室に人が私のことを見にきた。





その度に口を揃えて「全然似てないじゃん」と言った。

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