「理由なんてないよ。そういえばりゅうと旅行はしたことなかったなーって思って。」

高校の時も修学旅行は他のクラスだったから一緒に行ってない。

「高校の時もクラス違ったでしょ？」と言うと「俺、そもそも高校の修学旅行は休んだし、いなかったよ。」

「あれ？そうだっけ？」実はあの時のことはあまり覚えていない。

彼といた時間は覚えているけど、他の時間はあまり記憶にない。

「風邪でも引いたの？」と聞くと首を振った。

「家の方針かな。旅行に行くより勉強した方がいいってね。」彼はそんな家の方針が苦しかったのかな…

私は何も聞けなかった。

「よし、新幹線に向かお。」そう言って私たちは歩き出した。

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