第22話

「準備できたよ〜!」軽く化粧を終えて帽子を被った。




「じゃあ行こうか。」彼に言われて私は頷いた。





さっきチラッと彼の携帯が見えた。昨日言っていた通り大量に電話が来ている。私はそれを見ると少し笑えてしまった。




りゅうはそんな私を不思議そうに見た。





「どこ行こうか」東京駅に着いたはいいけど特に行きたいとこなんてない。




「まぁ、行こうと思えばどこでも言えるけどね。」りゅうはそう言ったけど、だからこそ行き先に迷うんだ。





高校生の時は金銭面でも行き先なんて限られていた。





「縛るものがなければないですることってないものだね」りゅうはそう言うと笑った。





「あー、じゃあさ京都行こうよ。」私はなんとなく思いつきでそう言った。





「いいけど、なんで京都?」彼は不思議そうだ。

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