第20話

「ごめん、お待たせ。」そう言って脱衣所を出ると彼は新しいタバコを吸っていた。





「りゅうの方には連絡が来てないの?」と聞くと「まぁ、今のところ来てないかな。まぁ、明日無断欠勤したらバレるけどね。」と彼は笑った。





「そういえば……りゅうはなんの仕事してるの?」彼の方を見ると、タバコを吸いながら外を見ていた。「医者だよ。」と言われて、何だか納得したような意外なような気がした。





「頭良かったもんね。」勉強を頑張っていた私だったけど、彼には勝つことが出来なかった。





「いやいや、それくらいしかすることはなかったからね。」と言っていた。




「でも、医者が急に居なくなって大丈夫なの?」ふと常識人かのような事を聞いてしまった。






「いや明日は大パニックだろうね。まぁ、医者は俺だけじゃないから大丈夫たけど。状況が目に浮かんで笑えてくるよ。」と彼は言った。




「ふーん…そんなもん?」私が首を傾げると「そんなもんだよ。」と笑った。

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