第19話

なんて答えていいのか分からなかった。






〝他の男と一緒にいるから。〟なんて言えるわけない。





「ごめん……」小さく私はそう言った。






『今までのままセフレで構わない。本命になりたいなんて思わないから……だから……捨てないで。』彼が泣きながらそう言っているのに、私の頭の中にはりゅうのことしかなかった。






明日からのこととか。






彼のことはそんなに小さな存在だと気づいた瞬間自分の酷さに気がついた。






「ねぇ………君は私を殺せる?」そう聞くと『大好きなみなみちゃんを殺すことなんて出来るわけないじゃん。』と言われた。






「うん……わたしも光を殺せない。それが答えだよ……」私はそう言うと電話を切った。





彼のためなら罪を背負うことができる。そう思うのはりゅうだけだから。





連絡先から光の電話番号を消し、LINEもブロックをした。





彼には本当に悪い事をしたと思っている。

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