第7話
「ねぇ、起きて。」そういうと、彼はむくっと起き上がり私の目を見た。
「死ななかった?」彼はそう聞いてきた。私は「殺しきれなかったんだね。」そういって笑った。
「本当に死んだか分からなくて隣で様子を見ていたら眠ってしまったみたい。ごめん。」彼はそういうと罰の悪そうな顔をした。
「ねぇ、卒業するまでに私を殺してよ。それまで死んだらダメだよ。」私はそう言うと彼を残して屋上を去った。
それから私とりゅうの高校生活が始まった。
初めは会う時はいつも屋上で、そのうち休日もよく一緒に行動していた。
自殺の名所に行ったり、図書館に行き本を読み漁ったり、本と言っても自殺にかかわる本ばかりだった。
今考えると彼との生活は楽しかったのかもしれない。
別れ際、彼はいつも私の首に触れた。
「いつか、きっと殺してあげるから。」そう優しく微笑むんだ。そう言われると私はひどく安心したことを覚えている。
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