第6話

特にどこかにいく予定もないし、友達に会おうにももう何年も会っていない。




ため息を吐きながらタバコに触れる。しかし歩きタバコは流石にダメか…そう思ってカバンにしまい込んだ。





暇だし、買い物をする気分でもない。だからといって男に会う気分でもなかった。





近くにはホテルがあり、そこにあるカフェを思い出した。高層階にあるカフェのため眺めがいい。




せっかく近くを通ったからそこに行こうと思いタクシーを捕まえるとホテルへと向かった。






そのカフェは値段が高めのため若い人というよりは、マダムが多い。




窓際の席に案内してもらうとホットコーヒーを頼んだ。





コーヒーを待つ間、外を眺めているとあの屋上での出来事を思い出した。





「ほんとに、殺してくれればよかったのに。」小さな声でそう呟く。





あの後意識を失った私は少し眠り続け目が覚めた。





最後に見た景色より空は赤くなっていて、夕日が差し込んでいた。






起き上がるとバサッと何かが落ちた。





それは誰かの上着だった。隣を見ると知り合ったばかりの男の子が眠っていて少し笑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る