第2話
彼は困った顔をして私を見下ろしている。
「………せっかく死ぬなら、私を殺してよ。私を殺してから死んで。」
私があまりにも笑顔でそう言うから、やっぱり彼は困った顔をしていた。
彼のパーカーの裾を引っ張ると彼はすぐに転げ落ちて尻餅をついた。
「ふふっ」私が笑うとやっぱり彼は困った顔をしていた。
「何で死にたいの?」彼にそう聞かれ私は笑った。
「君と同じ。楽になりたいだけだよ。」
私はフェンスにもたれかかりながら座るとカバンからタバコを出した。
空に上がる煙を見上げると彼と目があったから彼にもタバコを差し出した。
彼は迷うように受け取ると私の横に座った。
私が火をつけると彼は少しむせた、私はそれを見ながら笑った。
「ねぇ、君なんてゆう名前?」私が聞くと彼は咳き込みながら「りゅう」と答えた。
「ふーん。私はみなみ。…死ぬ前に自己紹介なんて変なの。」
私が笑うと、彼も少しだけ微笑んだ。
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