第3話
「なんで、俺に頼むの?」彼はタバコの煙を見つめながらそう聞いてきた。
「死にたいけど、怖いんだよ。1人は怖い。」私がそう言うと彼はタバコの火を消して「いいよ。俺が殺してあげる。」そう言った。
「ありがと。」私もタバコの火を消すと彼と見つめあった。
「遺書とかは?」彼は小さな声で私に言った。
「そんなのないよ。別に何かを伝えたい人もいないし。あ…でも殺してもらうようにお願いしたことは書いておかないと、君が殺人犯になっちゃうね。」
私が思いついたようにノートを破りペンで『彼に自殺を手伝ってもらいました。さようなら。みなみより』それだけを書いて、飛んで行かないように紙の上に鞄を置いた。
彼は静かに手を伸ばすと、私の首に優しく触れた。
少しくすぐったくてびくつくと「やめておく?」彼はそう聞いた。
「ううん、大丈夫。」彼の瞳はやっぱり綺麗で吸い込まれそうだ。
彼がぎゅっと力をいれた。
私は彼の綺麗な瞳を見つめながら静かに目を閉じた。
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