プロローグ

第1話

「ねぇ、君何してるの?」




放課後の屋上、開いているはずのない場所が開いていて恐る恐るドアを開けると、フェンスを飛び越えようとしている人がいた。




彼はフェンスに登る足を止めると私の方に振り向いた。





長めで色素の薄い前髪が風に揺れる。




瞳は息を呑むほど綺麗で吸い込まれそうな深い青。





こんな人この学校にいたっけ?





そう思った瞬間彼は口を開いた。






「死ぬんだよ。」





想像通りの答えに私は少し笑った。





まさか笑うとは思っていなかったみたいで彼は戸惑った顔をした。






「ねえ、じゃあさ。」




私はフェンスの下にいくと、彼を見上げた。

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