第99話
「背中にも何かあるの?見せて!」
「きゃあッ⋯―!」
私と同い年ぐらいの男なのに、好奇心旺盛の子供のような彼は、私の腕を強く掴むと、私の肩から肩甲骨まであったガーゼをタンクトップ越しに引き剥がしてきて。
「ッ―――!!」
傷口にガーゼが引っ付いていた部分があったのか、無理矢理引き剥がされたせいで鋭い痛みがはしり、痛すぎて目尻部分に涙が出た。
雅につけられた傷。
仁が、手当してくれた傷口。
「なにこれ⋯、刃物か何かで切られたの?」
痛みで顔を歪ませる私なんかどうでも良さそうに、傷口に触れようとする男。
「こんなの⋯、煌はしない。煌ってモノは使わないから。え、これも仁? いや、仁もモノなんて滅多に使わないよなあ⋯」
「痛いッ⋯!!」
その時、傷口に男の指がふれ。
そこの傷が深いのかは分からないけど、本当に痛くて。
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