第100話

「えぐれてる⋯、ええ、誰だろ⋯。凄い血出ただろうねコレ。⋯ん?⋯血?⋯ああ、雅か!」



また1人で解決した男は、私の腕を離し、傷口からも指が離れ。



「へぇ、なるほど。仁に首をしめられて?雅に血を飲まれて、煌のSっ気に愛されてるわけ?」



背中に見てみた男は、ほとんど私の後ろにいて。腕を掴んでいた手のひらが、後ろから私の体の前の方へと回ってくる。



煌のSっ気に愛されてるわけ?

そう言った男は、私の左胸を思いっきり掴んできて。

昨日、散々煌に噛まれた所を思いっきり掴まれたせいで、私は男の腕の中で悲鳴を上げた。



でも、力強い男は、私を逃がしてくれず。



「煌って、ここ、ほんと噛むの好きだから」



人差し指か中指が分からないけど、男の指先が、胸の頂点を潰すように押しつぶしてきて。



声にならない悲鳴が、喉から出ていく。

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