第82話
死んでやるもんか。
私の中で微かに残っている理性が、そう叫ぶ。
煌が私を解放してくれたのは、もう日が沈みかけている頃だった。
今日も家に帰れない⋯、お母さん⋯、探してくれているかな⋯。
監禁されても、レイプされても、捕まらない彼ら。警察は介入しないから⋯。
お母さん⋯。
お母さんの、忘れ物は、鞄の中に入ったままだ―――⋯
そんな事を思いながら、意識を手放した。
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