第81話

そう思った時、その子はどこにいるの?って思った。煌の部屋に女性の影は無かった。



また腰が震え始め、自分の足に力が入るのが分かった。イキそうになる前兆。



「こ、う⋯さんっ⋯」



煌がそれに気づき、胸の突起を口に含む。

噛まれるのだと瞬時に理解した。


イってはダメ、またあの激痛が来るから。



ダメっ、だめ!だめだめだめッ―――⋯




「ッ―――、すっげ⋯、締まる⋯やば⋯」



激痛とともに痙攣する私を逃がさないように決して腰を離さない煌。

噛んだ直後呟いた煌は、にやりと笑った。



「噛まれてイってんじゃねぇよ、変態」



違うのにっ、イった原因は下半身から来る快感のせいなのに。胸を噛まれたからじゃないのに。



「早く俺の思い通りの体になってよ」



また舌で舐められ、律動が開始する。


おかしくなる。


これ以上、無理ッ―――⋯


ハアハアと乱れた息、涙で滲む視界。

その視界には、あるものがうつってた。


鉄格子のある窓。


―――死にたくなった子が飛び降りる⋯



雅の言っていたことを思い出しながら、煌が与えてくれる痛みという快感を必死に我慢した。

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