第80話

「今、ここ噛んだらどうなるのかなあ⋯」


煌の指先が、歯型が残っている胸へと、ふれそうになる。

そんな恐ろしい事⋯。

もう、噛まれたくない。




「2回しか噛んでないし、まだだよなあ⋯」


独り言のように呟く煌は、ゆっくりと律動を始めた。



「あっ―⋯」



煌の上で揺れる。



「まあ、いっか」



自己解決したらしい煌は、また私の胸に舌を這わせ。



「い、いやです⋯かまないで⋯っ⋯」


「大丈夫、覚えたらすげぇ気持ちいいから」



まるで、知ったような口ぶりだった。


まさかと思った。


こんな事をしていたのは、私だけじゃない。


前かどうかは分からないけど、同じように他の女性に痛みを快感に変えていたのは事実―――⋯

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