第77話

もうイクという感覚が分かる私は絶対にイかない!って必死に耐えた。イけば激痛が待っているから。


私の中に入ってくる指の感覚が2本になり、増す快感はどうしようもなく。

私はわざと自分の手首を掴み痛みを与えた。快感より痛みが勝つように。

けれども煌の舌や、指先の動きがそれを超える。



「ッあ⋯、ああ⋯」



呆気なく達してしまった私の中を、また探っていく。

イケば痛みがくる思ったのに、予想とは違って痛みを与えない煌。



1度イケば、2度目からは簡単に達してしまう。


ハアハア⋯と、甘い声が出てしまう自分が辛い。流れる涙が目の前にいる煌の服に染み付いていく⋯。




3度目の絶頂が訪れようとした時、胸を舐めていてゾクゾクとしていた部分に、歯が当てられたことに気づけなくて。



「ッ、いっ⋯ッ⋯!」


ビクビクッ―――⋯



容赦なく、胸の突起を思いっきり噛んできた煌。目を見開くほどの、思わず悲鳴をあげた。


でもその悲鳴は、噛んできた胸の痛みか、イってしまった快感のせいなのか、分からない―⋯



「今、すっげぇ締まった。分かる?」


「い、痛い⋯痛い⋯ッ⋯」


「ウソ、感じてるくせに」



嫌だ、もう、イきたくない。

痛いのはやだ⋯。

痛いのはッ

痛いのはッ―――⋯。



どうすることも出来ない私は、目の前にある煌の顔を強く抱きしめた。



「ふっ⋯ンッ――ッ、」



あ、くる。

きちゃう。

イク。

イきたくない。

痛いのはいやっ⋯。



「かま、ないでっ⋯かま⋯ないッ!噛まないでぇー⋯!⋯―――ッいったっい!⋯―ッ⋯!」


「ああ、ほら、また締まった。見て、俺の指びしょびしょ」


噛まれた胸のそばで呟く⋯。


やっと指が抜けたと思えば、濡れていてテカテカと光っている指を見せつけられ、「もう1回する?」なんて恐ろしい事を言ってくるから。



私は必死に「やだっ⋯」と泣きじゃくりながら、顔を横にふる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る