第75話

「俺がじっくり、痛みを教えてやろうと思ったのにさ」



じっくり痛みを教える?

また、昨日みたいなことをされるの?


私は、ふるふると、首をふった。

ムリ、本当に無理。あんなの続けられたらおかしくなる。



「や、やだ⋯」


「なんで?気持ちよかっただろ?」


「煌⋯さん⋯」


「次、誰かに傷をつけられたら、許さねぇから。覚えときな」



そう言った煌は、強引に唇を重ねてきて。初めから官能的なキスに、息がつまりそうになる。

わざと水音を出すようなキスに、嫌だ嫌だと心が叫ぶ。


私の体から布団を剥ぎ取った煌は、私の鎖骨へとキスを落とした。


そのままベットの上へと沈められ、鈍い痛みが走り抜ける。

私は肩の痛みに「痛いっ⋯」と、顔をゆがめた。

それに気づいた煌は、顔を上げて。



「ああ、ごめん、忘れてた」



あまり悪いと思っていない口調で、そのままタンクトップだけを残し、抵抗する私の下半身のズボンと下着を脱がせると、そのまま私の足の間に煌がやって来て。


そのまま私の腰元に腕を回し、グイッと私の体を起こした。まるで煌に跨ぐように座っている私の鎖骨に、またキスを落とす。

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