第68話

二重人格?



「で、どうする?何食いてぇ?」


「み⋯やび⋯さんは?」



私がそういった時、ふと、仁の目が鋭くなった。漆黒の瞳⋯。



「自分の心配しろ」


また頭をひとなですると、仁は「適当に持ってくる」と言い、立ち上がると部屋から出ていく。

何が何だか分からない私は、痛みのせいでベットから起き上がれず。


仁が出ていった扉を、ただじっと見つめることしか出来なかった。



数分で戻ってきた仁は、お弁当やおにぎり。菓子パンやジュースを持ってきてくれて。



「起き上がれるか?」



本当に優しく、私を気遣ってくれる仁は、私を起こそうと手を差し伸べてきて。

その手で首を締められた事があるのに、私に触れる手は優しく「俺にもたれかかっていいから」と、信じられないことを口にする。

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