第67話
「じ、ん⋯さん?」
私は無意識に名前を口にしていた。そっくりさんだと思ったから。けど、間違いなく本人らしく。
「なんだ?」
と、私の頭を優しく撫で⋯。
なんなの、これは夢なの?
私はまだ夢を見ているの?
それとも幻覚?分からない⋯。
「ここ⋯、どこですか⋯」
「煌の部屋」
煌の部屋⋯
また、戻ってきてしまったのか⋯。
複雑な感情が芽生える。
「ど、して⋯仁さんが?」
「煌がいない間、俺が看病してる。イヤか?」
いや?
分からない―――⋯
仁の人格が違いすぎて、分からない。
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