第66話

え?え?と、この男に頭を撫でられる理由が分からず。


「痛み止めあるけど、どうする?」


私の顔を覗き込むように、優しく聞いてくる。

どうやら私の怪我を心配してくれてるらしい首を締めてきた事のある男。

少しでも体を動かそうとすれば、ズキッと痛みが走り。


思い出すのは、血を飲み続ける雅⋯。

私、あれからどうなって⋯。

雅は⋯?



「飲んだ方が良さそうだな、お前、ここに来てから何か食べたか?」



二度と会いたくなかった仁⋯。



「聞いてるだけだ、そんなに震えるな。食ったか?」


食べてない⋯。

肩に刺激を与えないように、首をふった。



「食った方がいい、何食べてぇ?パンとかの方がいいか?」



この男は、一体誰?

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