NTR

第65話

ズキズキと、肩が痛むせいで私は目を覚ましたような気がする。

気がすると思ったのは、目が覚めた瞬間、鋭い痛みが肩を突き刺したから。



「動くな」



その声には聞き覚えがあった。

この建物に入って、1番初めに聞いた低い声。この人に捕まったせいで、私はこんな所にいるのだから。忘れるわけがない。



「さっき薬ぬったとこだ、動かない方がいい」



とあるベットでうつ伏せに寝かされている私は、目の前にいる黒髪の仁に頭を撫でられていて。



首を絞めたことがあるこの男。

私を「廻せ」と命令してきた冷酷な男。



「痛くねぇか?」



声は低いのに、優しすぎるその手に、戸惑うことしか出来なくて。

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