第45話

見たこともない、オレンジ色の髪を持つ男の子だった。整っている顔立ちだけども、どちらかというと元気で沢山喋りますっていう雰囲気を持っているような。




「大丈夫?落ちたの?」



見つかってしまったとハラハラしている私に、「怪我は?血は出てないよね?」と、膝をついてしゃがみこんでいる私に視線を合わせる。



「というか、すごい格好だね、誰かの部屋にいたの?」



普通に話している男の子⋯。

ようやくまともな人間に会えたと思った私は、涙が出そうになった。



―――ううん、油断してはいけない。


昨日もそう思ったから、煌に抱かれてしまったのだから。



「いえに⋯か、えりますので⋯」


「帰るの? その格好で?」



その格好?


そう言われて見てみれば、制服のシャツははだけたままで、数箇所ボタンが外れていた。


スカートははいてはいるけど、シワがよってぐちゃぐちゃで。今更パンツをはいていはい事に気づく。

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