第22話

1つだけ上の階へ登れば、もうそれ以上上へと続く階段は無かった。ここがどうやら最上階らしい。

細長い廊下には、また何個かの部屋。

廊下には窓が設置してあった。逃げられないものかと窓の方を見れば、その窓にも鉄格子が付けられてあり。


まさか、全て窓に鉄格子が?


それってもしかして⋯、出口は玄関のみということじゃ⋯。ひとつしかないの?


ある扉の前に立った世那は、ノックもなくその扉を開けた。



「煌〜、やろうとしてたのにさあ、空気読めよなあ」



世那は私をその部屋に押し込むように二の腕を離した。その押し込む強さがあまりにも大きく、私は「きゃ⋯」と悲鳴をあげながら膝をついた。


その拍子に手のひらも床へとつき、左手首がズキンと傷んだ。



「その女?」


「そう、陽向ちゃん」



顔を上げることが出来なかった。

また誰かも分からない男が現れた。ビクビクとしてしまう私は、手を床についたまま顔を上へと上げることが出来ず。

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