サディズム
第17話
次に入ってきたのは、金髪頭の璃久だった。璃久は私と世那をどうでもよさそうにチラ見して、ソファへと座り。
タバコを取り出し火をつけて煙を吐き出す姿は、どう見ても不良で。
「璃久、煌(こう)は?」
世那が問いかける。
また知らない名前が出てきた。
「さあ?雅(みやび)から聞いたけど、マジでやるつもり?」
「そのつもり」
ニコニコと笑いかける世那とは対照的で面倒くさそうな璃久。
「可哀想に、つかマジどうやって入った?」
私に言われているというのはすぐに分かった。
可哀想に?
やるつもり?
なにを?
全く分からない―――⋯
世那が言っていた『メビウス』という単語も、意味がまだ分かっていないと言うのに。
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