第13話
―――隠れないと。
逃げないと、ではない。
隠れなくちゃって思った。
誰もいないうちに。
逃げた?って、思わせるように。
なのに、この部屋には隠れ場所はない。机の下に隠れようにも、ガラステーブルだから丸見えだ。
窓を開けても、鉄格子がハメられているため、人間が通ることは不可能で。10センチ間隔の鉄格子なんて出られるわけがない。
ためしに動かしてみるも、ビクともせず。
鉄格子が無かったとしても、見下ろす限り2階以上のこの場所は、飛び降りる事なんて出来ない。
ガクガクと震え出す私は、どうする事も出来ず。
窓を開けたまましゃがみこんだ私は、扉を開ける音が聞こえても、恐怖で振り向くことが出来なかった。
「ああ、起きたんだ、おはよう」
面白そうに喋るその声は、1番聞きたくない声だった。第六感が危険と知らせた理由が分かった。扉の向こうに、悪魔のように笑う世那がいたからだ。
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