第14話

「感謝してくれてもいいよ?陽向ちゃん。血の処理やってあげたの、俺なんだから」



血の処理、それを聞いて思うのは奪われた処女。引き裂かれるような激痛。

やったのはあなたなのに、後処理をしたのを感謝しろと?

あなたがあんな事をしなければ、処理なんかしてなくて済んだのに。



「にしても、痛みで気絶するなんてね。そんなに痛かった?」


私の傍にしゃがみこんできた世那は、面白そうに言う。私は下を向いたまま無視した。もう二度と世那の顔を見たくなかったから。



「気を失う前の陽向ちゃん、凄く可愛かったよ?動画撮っておけば良かったなあって」


「や、めて⋯」


「ところでさあ」


―――なんで窓開いてるの?



片手で私の頬を挟むように鷲掴み、無理矢理世那の方へと向けられ、その振動で目に溜まっていた涙が零れ落ちた。



「逃げようと思った?」



低く、呟く。



「俺らが、逃がすわけないじゃん」



悪魔の呟き。

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