第85話
大学を卒業して流れるように働き始めた。
帰る前にコーヒーを買おうと思い、自販機に寄ろうとした。
夜の病院のため静かだ。
自販機にお金を入れた時だった。
救急車で誰か運ばれてきたようだ。俺はその様子を見ていた。
治療室へは、自販機の前を通っていくため必然的に自分の前を通る。
自分の目の前を怪我をした女性が通った。
「……え…」
見たことのある女性。
「……リン?」
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