第76話

「お前、何してんの?こんなとこで。」彼は珍しく怒っている。





「何でもない。」私はその場を去ろうとした。





「何でもない。なんて、言わせねえよ。」





「……自分のいる価値が分からない。リカが死んだのは私のせいだ。」私はその場に崩れるように座り込んだ。





「リカさんが亡くなったのは兄貴から聞いた。でも、事故だったんだろ?お前のせいじゃない。」私に目を合わせながら誠くんはそう言った。





「ちがうの……私の父親が…私を狙って仕向けたらしい。私の代わりに、リカ死んじゃった。私が生きていれば、大切な人がまた狙われてしまう。」泣きながらそう言った。






「は…どう言うことだよ…」誠くんは驚いている。





ポツリポツリとゆっくり語る私の話を誠くんは何も言わずに聞いていた。





金髪の美少女は私の背中をずっと撫で続けていた。





全て聴き終わると、誠くんは誰かに電話した。





少しすると、見慣れた車が来た。

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