第74話

「あんたを殺して私も死ぬ。」わたしはそう言い男を睨みつけた。




「俺の娘、可哀想じゃない?鈴ちゃんみたいにひとり親で愛されなかったらどう思う?」






「あんたに育てられる方がよっぽど可哀想だよ!」私はそう言って彼の首を絞めた。




だけど、思いっきり身体を押されて私は転んだ。





「死なないよ。」男はニヤリと笑った。





「なんで、そんなことばかりするの…」私は小さな声で聞いた。





「楽しいからだよ。俺は一生君を追い続けて、君の嫌がる事をするよ。そうだなー、次は死んだ女の息子を殺そうかな?」彼は真顔でそう言った。





「やめて!」私はそう叫んだ。





「じゃあ、どうしたらいいか……分かるよね?」そう言われて私は銀行に行くと、今下ろせるだけのお金を下ろして男の元へ向かった。





男はタバコを吸いながら私を待っていた。





男に持っていたお金を全て投げつけて「これだけあれば十分でしょ!もう、二度と近づかないで!」と叫んだ。




男は落ちたお金を集めてニヤニヤしながら私を見た。





私は歯を食いしばりながらその場を後にした。

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