第71話
お葬式も終えて、私と洋はマンションへ行った。
洋はリカの遺品整理をしている。
「本当に、リンのせいじゃないからな。」洋は遺品整理をしていた手を止めて私の所に来た。
「私を庇わなかったらリカは死んでない。」泣きながらいうと「悪いのはひき逃げした人だから。リンに何もなくてよかったよ。リンに何かあったらそれこそリカは自分を責めていたと思う。」
洋は、何度も私に「リンは悪くない」と言ってくれた。
その日の夜、喉の渇きに目が覚めてリビングに向かうとリカの遺影を抱きしめて泣く洋がいた。
私は、洋の泣く顔を初めて見た。
私は静かに自分の部屋へ戻った。
次の日、洋はいつも通りの冷静な顔をしていた。
「リン、俺と東京に来ないか?部屋もそんなに狭くないし。」
「ううん、私はこっちに残るよ。」洋には彼女がいる。修学旅行で見た綺麗な人。
邪魔をするのはダメだと思った。
それから数日して洋は東京へと帰っていった。
洋と会ったのは3年ぶりだった。
再会は辛く悲しいものになった。
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