第66話

そんな調子で一年が経った。





「ねえ、リン。今度の水曜日空けといて。」ある日リカにそう言われた。




私は「うん、わかった。」と答えた。もともとリカのところでしか仕事はしていないから、定休日の水曜は特に用事はない。





リカは凄く機嫌をよさそうにしていた。





それから、何日か経ち、水曜日になった。






私は裕二さんの運転する車に乗せられた。





リカと裕二さんと私の3人で、リカは、特に機嫌がいい。




「ここって…」ついた場所は着物屋さん。




「こっちこっち。」とリカに手を引かれるまま中に入る。





「何か買うの?」私が尋ねると「振袖!」と鼻歌を歌っている。





「この子に似合いそうなのいくつか出してください。」リカはお店の人にそう伝えるとお店の人たちは、いろいろ出してきた。





「リカ、私成人式は行かないよ。」小声でリカに伝えた。





「行かなかったとしても写真くらいは撮らないと。一生に一回の晴れの日なんだから。」





でも、お金もそんなにない。

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