第61話

帰り道、歩いていると裕二さんが車を走らせていて乗せてくれた。





「誠は?」と聞かれ、「旅に出たよ。」と言うと笑っていた。




「まさか、本気だったとはなー。馬鹿だな、あいつ。」そう言う裕二さんはなんか楽しそうだ。






家に着くとリカがご馳走を作って待っていてくれた。





「洋も呼んだんだけど、やっぱり帰って来れなかったみたい。残念。」リカはそう言っていた。






リカの手料理なんて珍しい。






いつもは私が料理をするけど、リカの料理はすごく美味しかった。





「これ、卒業祝い。」そう言って渡してくれたのはバックだった。






「社会人なんだから新しいの必要でしょ?」と言ってくれた。




使い勝手の良さそうなバッグはとても可愛くてセンスがいい。





「ありがとう、リカ。」




私は就職してもこの家から職場に通うことになった。






リカの家を出ようとも考えていたけど「リンまでいなくなったら寂しいな〜」と、リカに引き止められた為、残ることにした。





「これからもよろしくね、リカ。」そう言うと「よろしく、リン」と言ってくれた。

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