第46話
学校が終わり、校門から出ると裕二さんが車で待っていた。
「リン、迎えにきたぜっ」と、アホみたいにウインクをしている。この人、本当に怖い人なのだろうか。たまに不思議な気持ちになる。
言われるがままに、車に乗りリカの家に向かう。
「最近、洋と連絡取ってるの?」裕二さんは運転しながら聞いてきた。
「一応。たまにLINEはするよ。頻繁には取ってないけどね。」
実際洋は忙しそうだ。東京の医大に行ったらしくて、連絡する回数はどんどん減っている。
「可愛い彼女なんて出来ていたりして」裕二さんが笑いながらそう言った。
「洋、モテるもんね。それに、東京って可愛い子いっぱいいそう。」東京は行ったことないけど、煌びやかなイメージだ。
「まぁ、洋に彼女なんて出来てないと思うけどな。」裕二さんはゲラゲラ笑ってる。
不思議に思って「なんで?」と聞くと「こっちで可愛い女の子が側にいたんだから理想が高いはずだからな、洋は。」と答えた。
「あー、確かにリカ美人だもんね。あんなお母さんがいたら理想高くなるね。」私が納得しながら頷いてると、裕二さんはまたゲラゲラ笑っていた。
「リンは寂しくないの?洋に会えなくて。」
洋は、お盆とお正月は帰ってくると言っていたけど、お盆は私も和歌山のおばあちゃんに会いに行っていたから会えなかった。
時期をずらしたかったけど、おばあちゃんたちは自衛業をしているから、休みが少ない。
そのため、洋の帰省とかぶってしまったのだ。
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