第36話

それから、色々な手続きをおばあちゃん達は済ませて和歌山に帰って行った。







「お世話になります。」リカの家はバイトの為に来ている慣れている場所なのに、これから住むとなると少し新鮮な気がした。





「この部屋使って。」洋に案内されて、部屋に荷物を置いた。リカは仕事で居ない。






「リン、大丈夫?疲れてない?」洋は私に聞いた。「ううん、大変な事はおばあちゃん達が全部やってくれたし、荷物も少なかったから。」私は少し笑った。





「リン、寝てないだろ。」洋にじっと見つめられる。





「夢を見るの。最後の日、ママを傷つけて私が殺したようなものだよ。」




もっと違う言葉をかけるべきだったのかな?





それとも、私が我慢すればママはずっと幸せだったのかもしれない。




そう思ったら眠れない。

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