第34話
お葬式の夜、リカと洋が来た。
お葬式は家族葬だから、人は呼ばなかったけど心配して来てくれたんだ。
おばあちゃんはリカと洋にはママが運ばれた病院で会っている。
「この度は、お世話になりました。」深々とおばあちゃんは頭を下げた。
「いえ、私達は鈴ちゃんに付き添っていただけなので。」救急車で病院に運ばれたあと、おばあちゃんたちが来るまでリカと洋が私に付いていてくれた。
「随分、孫と仲良くして下っさっているようで、本当に感謝しています。娘も亡くなったので、孫を和歌山に連れて帰ろうと思います。」きっとそうなってしまうと思っていた。
未成年の私がこっちで1人で暮らして行けるほど人生甘くない。
おばあちゃんと一緒に和歌山に行くのが普通だ。
「行くのか?」洋は私に聞いてきた。「うん」そう言うつもりだった。でも、私はそう言うことが出来なかった。
頑張って入った高校をやめたくない。
リカと離れたくない。
洋と離れたくない。
その気持ちが勝ってしまった。
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