第20話

洋は何も言わずチャックを上げると私の手を引きソファに座った。




隣に座る洋は頭を撫でながら、「もう大丈夫。」と言った。




私はそう言われた瞬間涙が出た。




隣にいた洋に抱きつき子供のように泣いた。





洋は何も言わずにずっと頭を撫でてくれた。








少し時間が経ち涙が止まり、ボーッとしていると、





「ちょっと、落ち着いた?」洋は優しく聞いてきた。




わたしは頷くと抱きつく手を離して俯いた。





洋はソファから離れると水を持ってきて渡してくれた。




「何があったか、そろそろ言いな。もう、抱え切れる範疇超えてるだろ。」



私はそう言われると、プツンと糸が切れたように話し始めた。




いじめられていること。父親が帰ってきたこと。襲われそうになったこと。

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