第21話

洋は全てを聞き終わると「辛かったな。」と言った。




洋の優しさにまた涙が出そうになった。




「学校の件は俺がなんとかする。もう心配は要らないよ。」そう言った。





「なんとか…できるの?」学校では何ともないような顔をしていたけどやっぱり怖かった。




「大丈夫」あっさりとそう言う洋に拍子抜けしてしまいそうになった。




洋はそれから少し考えるような顔をして




「家のことは警察に相談しよう。このままだとリンの身が危ない。」と言った。




「私…まずはママに相談してみようと思う。」




「だめだ、危険すぎる。正直、今までリンに危害を与えてきた母親のことを信用できない。」洋の言うことはごもっともだ。





初めて会ったときにあった火傷も、顔の傷も。ママにされたわけではない。と言っていたけど、きっとバレている。




「それでも…言う価値はあると思う。ママだって、実の娘に手を出す男とは幸せになれない。」




決意した私の意思を変えることは出来ない。そう思った洋は何も言わなかった。

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