第14話

入学してから1ヶ月が経ち少しずつ学校にも慣れてきた。





私と洋は毎朝一緒に登校している。




家が近いからだ。





「鈴ちゃんっ!」洋と話していると後ろから名前を呼ばれた。





「香織ちゃん、おはよう。」矢口さんに、名前で呼ぶように言われてそう呼ぶようになった。





「先輩、おはようございます。」ニコッと笑う香織ちゃんは可愛い。





「おはよう」洋は必要以上に話さない。





女の子に対してはこのスタンスらしい。





「リン、そこに友達いるから合流してくる。」私にそう伝えると頭を撫でて友達の方へ行ってしまった。





香織ちゃんは不服そうに頬を膨らます。





「なんで、私とは話してくれないんだろ…鈴ちゃんももっと私たちが付き合えるように手伝ってよ!」





香織ちゃんは洋と付き合いたかったのか…





ちょっとびっくりしてしまった。





「洋先輩と話さないでよ。友達のこと裏切らないよね?」




可愛い笑顔で香織ちゃんはそう言った。






「……え…」毎朝一緒に登校してるし、ご飯だって作りに行ってる。





話さないなんて無理だ。

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