第7話

私の作ったオムライスを口に入れ



「うまいよ。ありがとう。」そう言ってくれた。





そんなこと言われたの初めてだった。





いくら作ってもママはおいしいなんて言ってくれないし、そもそも食べてくれることもほとんどなかった。





「何泣いてんの」食べていた手を彼は止めた。





「……え?」目元を触ると水滴で手が濡れた。




「目に…ゴミが入ったみたいで……あの、顔洗ってきます。」



そう言い、洗面台に行き鏡を見ると酷い顔をしていた。




嬉しくて涙が出るなんて初めてだった。




その日から私の楽しみは洋さんにご飯を作ることになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る