第82話

「···何するの?」


「まだ一個あるし」



一個?



「しようぜ」



だから何を?


わけの分からない顔をしていたのか、晃貴はフッと笑った。



「やっていい?」



やっていいって···まさか。



「え···、やるって···えっちのこと···?」



驚いて聞く私に、晃貴は「そう」といとも簡単に言ってくる。



「む、無理っ···!」


「なんで?」


「体動かないしっ、もうヘトヘトだから」


「真希ちゃん動かなくていいし」



そ、そういう問題じゃない···!!




「い、一個ってなんのこと!?」


このままじゃ晃貴の思いのまま抱かれてしまう!と思った私は、話を逸らすように思いついたことを口にしたけど。




「一個?ああ、ゴムな」



ゴム···!!

性的な話の内容には変わりなく。



「も、私、本当に無理だよ······」


「そんなにさっき良かった?」

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